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朝顔通

附録土拵方植木しめの随分赤みあるあらき土に、砂三分お和して、立冬より春分にいたる迄、雨のあたらざる所に囲ひ置、其後乾し、ほど能通し用ゆ、或はまいごみ赤川同じ、〈◯中略〉屎入方芽出葉生ひ蔓のびて、既に莟あらはるヽ節屎お入、又半月お経て屎お入、十日廿日目と次第に屎お見合て入べし、猶大抵のものは直入よりは、屎水おかけるべし、極日当りお吉とす、又斑のにぶきものは屎お扣へて能日に当べし、大暑後の日は昼までの日お好て、昼後の日おいむべし、〈◯中略〉大輪仕様土五合入鉢によし屎土お入、たね四五りうお真中へまき、程よきお残して、其余お去り、莟あらはるヽ節、壱升ほど入鉢に、こへ土に干鰯等おまじへ鉢の底にしき、その所へ其儘にうつし、外お右之屎土の砂がちなるお、やわらかに入、扠其鉢お土の中にうづむか、又は三升ばかり入鉢等にうづむべし、花三りん又四りんつけて、其余の芽出次第にとり、前日夕方につぼみ台より末にいたり、二寸六分あれば、翌日四寸経りの花ひらくとしるべし、葉小にして花大なるお好とす、〈◯下略〉