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四方の硯

いつの時にか有けん、西国に経済の志ある人、国の窮乏おなげき、国守に富国の術おすヽめて、堤に水蝋(いぼたろう)樹と唐牽牛子とお、多く植しめけるが、牽牛子は油に製すとなり、この国それよりして、大富強国となりぬといふ、管子の意に通ぜる人なるべし、