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重修本草綱目啓蒙
十八/葷辛
羅勒 めばヽき(○○○○) 一名蘭香菜〈本草彙言〉 蘿材〈正字通〉野生なし、種お伝へ種ゆ、四月棗葉初て出る時、地に下して即生ず、苗長じて一尺余に至る、方茎枝葉皆両対す、葉は爵床葉に似て浅緑色、香気あり、枝梢ごとに六七寸の穂お出し、葉上ごとに茎お周りて花お生ず、紫蘇の花に似て白色、後蕚ごとに四子あり、熟して黒色、秋深に至て苗根共に枯る、其子至て小く車前(おほばこ)の子の如し、水お見れば即外に白脂お纏ふて、一分余の大さになる、故に目中に入て痛まず、能塵お粘して出、故にめばヽきと雲ふ、