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庖厨備用倭名本草
五/野菜
薄荷(はくか)〈◯中略〉 元升〈◯向井〉曰、薄荷は其香竜脳の如し、故に西国俗には竜脳草(○○○)と雲、風寒にあたり、目赤く痛み、眵涙出るには生薄荷葉にて目おさすり、或は少し肉おあらへば、目の中すヾしくなりて、眼疾いえやすしと雲、多識篇に水蘇の和名お、りうのうくさと雲は未穏当也、今の人飲食に薄荷お用ふることなし、古人は是お用たるべし、倭名抄飲食部薑蒜類に載たり、食物本草にも載たれば、今援に是お書せり、吸口にしてもよし、