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農業全書
十/薬種之類
薄荷薄荷是も薬に多く用ゆる物なり、作るべし、二種あり、一色はりうはくかとて、気味のよきあり、是おうゆべし、又ひはくかと雲あり、あしヽ作るべからず、肥地に一度うへおけば、年々自ら生る物なり、たねお取おき、苗にしてもうゆべし、畦作りしうゆる事、菜にかはる事なし、刈時分は小むぎかるころ、下葉色付お、日和お見て刈取、うすくあみて一日ほし、其後日かげにつりて、かげ干にして、薬屋にうるべし、是八新の一にて、古きおば用ひず、若二年にこゆるあらば、捨て売べからず、