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重修本草綱目啓蒙
十一/湿草
酸漿 かヾち(○○○) あかヾち(○○○○) ぬかづき(○○○○) ほうづき(○○○○)〈ほうと雲虫つく故に名くと、大和本草に見へたり、〉 一名姑娘茱〈救急本草〉 灯籠児〈同上〉 掛金灯〈本経逢原〉 絳囊〈行厨集〉 叱利阿里〈郷薬本草〉春月宿根より苗お生ず、形状時珍の説に詳なり、夏月葉間に花お開く、一弁にして牽牛花の如く、五尖ありて五弁の如くに見ゆ、故に如盃状無弁、但有五尖と雲り、花後実お結び下垂す、熟すれば外殻紅色にして美はし、一種外殻矮扁なるあり、これおきんちやくほうづき(○○○○○○○○○)と雲、かぼちやほうづき(○○○○○○○○)、ひらほうづき(○○○○○○)、〈作州〉くヽりづきん(○○○○○○)、〈江戸〉其余数品あり、凡酸漿実已熟するものお盆に栽へ、冬月紙袋お覆て寒お防時は能久に堪へ、其殻筋脈のみ残り、蝉翼の如くして、中の紅実お透見して灯籠の如し、