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落穂集追加

多葉粉初りの事問曰、世上の貴賤上下共にもてはやす多葉粉の義は、上古来は無之物にて、近来のはやり物に有之由、其元には、如何聞き被及候や、答曰、我等若年の比、或老人の物語り仕るは、多葉粉と申者は、古来は無之所に、天正年中(○○○○)の切支丹宗門と申事の世に広り候時節より、多葉粉も初る也、然ば元来は無之所、南蛮国の土産の草抔にても有之や、〈◯下略〉