[p.0575]
賤のおだ巻
前に記す地紙〈◯扇面〉売の歩行時分、きざみたばこやとて、是も小奇麗なる形おして、〈是は年ぱいの者おやぢなども歩行たり〉いくつも引出しお付たる、小簟笥様なる箱お脊負て、品々の刻たばこお入、商に歩行たり、是は不限〈◯限恐継誤〉四季ともに家々お廻り、出入取付など出来て重宝なりき、地紙やと同じく、今〈◯享和〉はすたりて知る人もなし、