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おほうみのはし
久世大納言、〈通夏延享四年薨〉ものへまうづとて湯あみ給ひけるに、此湯には穢れたることあるべし、火おあらためてこそ更におほせよとて、あみはてずしてあらためさせ給ひけり、後に火たきたるもの、あやまちて烟草おたびて侍ると申しけり、此大納言の常にかヽることおはしければ、隻人にはおはせずとぞ申しける、