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広益地錦抄

曼陀羅花(まんだらげ) 春たねおうゆる、はへ出は茄子苗のごとくにて、段々枝出て葉も茄子のごとし、故に異名山茄といふ、秋花さく白大りん、花形あさがほのごとく、たくましく異形なれば、俗に唐人笛といふ、猶そのかたちなり、花壇に植て朝鮮あさがほといふ朝にひらき夕にしぼむ、時珍が曰、曼陀羅花人家に植、春苗生夏長、独経直上高四五尺、葉茄子の如く、八月白花開雲、葉牽牛花の如く大し、朝に開夕に合すといへり、よくも見たり、此葉お湯にせんじ、寒湿脚気お治、小児慢驚風の薬に用雲、