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三養雑記

瓢の種類瓢にくさ〴〵の種類あり、その水に浮べること泡の如く、また漂ふがごとくなれば、包とも瓢ともいへり、和名ふくべ〈◯図略〉その長こと越瓜の如く、首尾一のごとくにして、大なるものお狐(○)と雲、和名ゆうがほ、〈◯図略〉小にして細腰のものお蒲盧(○○)といへり、狐蘆といふは非なり、俗にいふへうたん、〈◯図略〉同じかたちにて、至て小ものお薬壺盧(○○○)といふ、これお〈◯図略〉俗にせんなりといへり、包に似て円く大きく、短柄のあるもの壺(○)といふ、〈◯図略〉狐の頭大からで、柄の長きものお懸狐(○○)と雲、〈◯図略〉本草に苦包(○○)あり、国語に苦盧といふ、綱目に苦壺盧と名く、その味胆の如し、詩に苦葉といふものこれなり、和名にがふくべといふ、〈◯図略〉