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古今著聞集
十八/飲食
暁行法印人の許へまかりたりけるに、瓜お取出たりけるが、わろく成て水ぐみたりければよめる、山しろのほぞちと人やおもふらん水くみたるはひさごなりけり季経卿泰覚法印がもとへ、瓜おつかはして、此瓜くいて、これがかはりには、此般若かきてとて、料紙一両巻おくりたりける返事に、なめ見つる五の色のあぢはひもきはだの紙ににがくなりぬる