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塩尻
三十七
或曰、俗礼に瓜お貴人の前にて進むる時、其皮お去て先上のかたお横に薄く輪切にして、是お捨侍るは如何なるゆえと問へども、さだかならずと、予〈◯天野信景〉曰、是礼の玉藻に見えはべる、曰瓜祭上環食中、棄所操と、註に先神に進めて後食ふ、瓜は昔ことに重んじ侍る故、先一輪お進めて後、君にも奉る古法也、