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重修本草綱目啓蒙
二十/蓏菜
南瓜(○○) ぼうぶら(○○○○) ぼうぶな(○○○○)〈肥前〉 ぼぶら(○○○)〈加州〉 なんぐは(○○○○)〈仙台◯中略〉京師にては誤てかぼちやと呼ぶ瓜形円扁にして竪にひだあり、初は深緑色、熟すれば黄赤色、筑紫に産する者は、形甚大にして径り尺余に至る、一種形長くくびありて、壺の形の如して深緑色、又熟して黄色になる者あり、是おとうなすびと(○○○○○○)雲、一名かぼちや、かぼちやぼうぶら、なんきんぼうぶら、日向うり、〈予州〉是群芳譜の番南瓜(○○○)なり、一種細腰、壺盧の形の如くなるお、くヽりぼうぶら(○○○○○○○)と雲、又一種あこだうり(○○○○○)は、紅小にして六寸許、正円にしてひだなく、皮色赤し、集解に、或紅の字あれば、紅南瓜(○○○)と名くべし、女南甫史に、南瓜紅皮如〓楓色と雲は、あこだうりなり、北瓜青皮如碧苔色と雲は、ぼうぶらなり、備前に金冬瓜と呼者あり、形長く越瓜の如にして、皮赤色なり、伝言ふ、浮腫お治すと、増、〈◯中略〉盛京通志雲、南瓜種出南番、故名、其形円而長、倭瓜類、南瓜深黄色而味較其形扁、本草不分為〓二、今因俗呼分之、この説に拠る時は、南瓜と雲もの、とうなすびにして、番南瓜はぼうぶらなり、その倭瓜は番南瓜の一名なり、これ群芳譜の説に反す、京師にてかぼちやと呼ものは、春月種お下し、甚だ蔓延す、葉の形蜀葵の如にして五尖あり、処処に白斑点あり、夏月葉間に花お開く、大さ三寸許、五弁にして黄色、弁に皺多し、中に淡黄色の蘂あり、甚あだばな多し、