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重修本草綱目啓蒙
二十/蓏菜
苦瓜 つるれいし(○○○○○) れいし(○○○) にがうり(○○○○)〈防州〉 ごうりかづら(○○○○○○)〈長崎〉 にがごおり(○○○○○)〈筑後〉 とうごおり(○○○○○)〈島原◯中略〉春種お下す、藤葉諸瓜より小なり、葉大さ三寸許、五七岐にして鋸歯あり、浅緑色、毎葉一鬚、葉間に花お生ず、大さ六七分、五弁にして黄色、茎は細して糸の如し、〓花(あだばな)多し、蒂下に小塊ある者は、花謝して瓜お結び下垂す、皮に疙疸多し、長さ三寸、径り二寸許、初は緑色、瓜の末より漸く黄色に変じ、自ら裂て紅肉お見す、是其熟するなり、其肉は六七分許の大にして多く重る、味甚だ甜し、内に皆一核あり、形木鼈子に似て小なり、霜後苗根共に枯る、一種長れいし(○○○○)は、長さ一尺五六寸、九州に多し、東国に栽ゆれば六七寸に過ず、