東雅

十四/果蓏

栝楼からすうり　倭名抄に兼名苑註お引て、栝楼一名〓〓、からすうりといふと註せり、毛詩爾雅本草等の註に依るに、栝楼は天瓜也、〓〓は爾雅の〓姑、一名王瓜也、即是二物也、兼名苑註、栝楼一名〓〓と雲ひしは、二物おもて一物とするに似たり、〓〓お呼びて、からすうりとするは、此物一名老雅瓜といふに因れるなり、天瓜王瓜同じく是れ蔓生にして、其葉も又相似たれば、我国の俗共に呼でからすうりと雲ひしと見えたり、此物もと果蓏の類にあらざれども、名づけてうりといひぬれば、こヽに准ず、〈老雅瓜の名、始て本草図経に見えて、李東璧が本草には、王瓜熟しぬれば色赤し、雅喜食之、故に此名ありと見えたり、〉