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塵袋

一女郎花と雲ふはおみなへしと雲ふもの歟他花歟源順が俗呼為女郎と雲へるは、たしかの説なき心歟、菊女郎花と雲ことは大概分明なる歟、霊鬼志曰、何文漢人也、有一女子容貌美、率死葬、明日見其塚、尽成菊花、故名菊花女、亦名女郎花雲へり、順が花色如蒸粟と雲へる、つねの女郎花お雲へるにや、又有る説には如蒸栗雲べきお、栗字お誤て粟とはかけり、蒸栗とはむせるくりには非ず、蒸栗と雲ふ木名なりと江帥雲へり、巍文帝鐘大理与書雲、赤擬雞冠、黄件蒸栗と雲へり、是は玉の色お雲へる也、王逸正部論雲、赤如雞冠、黄如蒸栗、白如猪肪、黒如純漆と雲へり、