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十訓抄

野宮歌合判者は源順なりけり、女房おあまたかたせければ、男方より、霜枯の翁草とは名のれ共女郎花には猶なびきけり、となんいひたりける、是は花色如蒸粟、俗呼為女郎、聞名戯欲契皆老、恐悪衰翁首似〓霜と、順がかけるによりてよめるにや、いと面白し、同難なれども、やさしくおぼゆかし、