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重修本草綱目啓蒙
十/湿草
馬先蒿 しほがまぎく(○○○○○○) のこぎりさう(○○○○○○)〈江州〉 一名虎麻茺蔚〈本草蒙筌〉山中に多く生ず、向陽渓側に多し、春宿根より苗お生じ、高さ二三尺、葉の形、楡(にれの)葉に似て長く、岐深して細鋸歯毛茸ありて枝葉繁布す、八月葉間ごとに花あり、大さ六七分、豆の花の形にして圧扁するが如し、紅紫色花後に小扁莢お結ぶ、長さ二三分にして尖れり、内に細子あり、又別に一種花相似て小く、葉は陰地厥(はなわらび)の葉に似て、薄軟にして毛茸ありて、ねばるものあり、小しほがまぎく(○○○○○○○)と雲、