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草木育種後編
下/薬品
巴戟天〈本草〉 和名やまひヽらぎ〈本草和名〉俗に珠数根の木といふ、享保年間、家祖濃州より官園に上る、今豆州にあり、予〈◯阿部喜任〉房州清澄山にて採り得たり、葉長短二種あり、五月枝お〓して活す、赤土に植てよし、陰地によし、盆に栽たるは土蔵に冬月入れべし、干鰯油かす等お根に入てよし、一種山葎根(かきのはぐさ)といふものあり、是も葉長きと円きとあり、二種ともに冬月は葉枯る、予は遠州秋葉の山にて採る、赤土の陰地に植べし、盆栽は赤土のごろたに栽てよし、わり胡麻豆肥の類、塩味なきものお撰み用ゆべし、