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菊花俗談
寛延二己巳年九月、市け谷八幡社内にて、或人会主として、一〓予、〈◯松籟軒南甫〉府内の実生、凡二百余種お取集む、都下において実生会の始め也、此中に紀州菊の実生は二三け所より出る、此花お賞して、聊の文お綴りたり、是に同士の輩有て、寛延四辛未秋九月、実生会お催し、花の位お定む、紀州菊花形付と題号して、菊譜お綴れり、是より菊譜数品出たり、