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年山打聞

菊の歌万葉集には、一首も見えず、それより後桓武天皇の御製お、類聚国史七十五巻に載られて雲、〈◯歌略〉今按ずるに、今も菊の花は、九月中頃もしくは末つかたより十月迄盛也、万葉に淡路廃帝天平宝字年中迄の歌お載られたるに、一首も見えざるは、称徳光仁の御代、或は桓武のころなど、もろこしより菊のわたりたるにや、