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重修本草綱目啓蒙
十/湿草
九牛草 詳ならず伊吹よもぎに充る古説は穏ならず、伊吹よもぎはぬまよもぎとも呼ぶ、即蔞蒿なり、既に艾の条に詳にす、増、本草新編曰、艾葉世人倶以〓艾為佳、殊不知野艾佳于〓艾、蓋〓艾、乃九牛草也、似艾而非艾、雖香過于艾、而功用殊不若野艾、入脾腎肺三経、世人舎近而求遠、舎賎而求貴為可嘆耳、今按に九牛草ははまよもぎ(○○○○○)なり、海浜の砂地に産す、苗高さ二三尺、葉の形常の艾より微しく小にして、欠刻甚だ深く、面背共に白色お帯て毛茸あり、夏に至ればその葉最も細くなりて三岐となる、枝及び梢の葉は漸く細くして岐なし、花実の形ち普通のものに同じ、集解蘇容の説に能く合へり、