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農業全書
四/菜
茼蒿倭俗かうらい菊と雲、又春菊とも雲、本草には八九月に種子おまき、冬春取食ふ、茎肥て味辛く甘し、四月に薹生じ黄花あり、花はひとへなり、菊に似たり、其性平にして毒なし、心気お安くし、脾胃お養ひ、疾お消し、腸胃お利すとあり、農業通決には、二月にうふるとあり、是は春の食とせんためならん、苗の時ひたし物あへ物となして味よし、冬春たび〳〵につくり用ゆべし、花も又見るにたへたり、