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円珠庵雑記
はヽこ草は、文徳実録に母子草とかけり、和名には庵蘆おぞよめれど、本草お見れば、それにはあらで、鼠麹草にてぞ有ける、もろこしにも、やよひの三日には、これおもちひにくはふるよし、そのふみにみえたり、葉の色のねずみに似て、花のかむたちのごとく黄なれば、たとへて名付たり、