[p.0751][p.0752]
重修本草綱目啓蒙
十/湿草
旋覆花 おぐるま(○○○○) のぐるま(○○○○) きつねのたばこ(○○○○○○○)〈越後〉 一名盛椹〈本経証類本草〉 滴漏花〈花史左編〉 滴漏金 金銭子〈共に同上〉 謝落金〈薬甫同春〉 滴露金〈同上〉 野油花〈附方〉 飛天蘂〈輟耕録〉 野金銭〈薬性要略大全〉 六月菊〈類書纂要〉 艾菊〈群芳譜〉 滴露菊 幾菊 畳羅黄〈共に同上〉 滴露〈大倉州志〉原野園甫間甚多し、最繁殖す、一たび種れば、其年花お生ぜざれども、翌年は甚多く生ず、故に滴滴金の名あり、此葉の露水滴下する処に、苗お生ずと雲の意なり、然れどもさにはあらず、鬚根蔓の如く延て、その末に皆苗お生ずる故繁茂するなり、葉は細長くして、鱧腸(たゝらひの)葉に似て微毛あり、苗高さ二三尺葉互生す、夏月茎梢に枝お分て花お開く、単弁にして大さ銭の如し、黄心形菊花に似て弁甚細し、又筒弁なるものあり、又千弁なる者あり、又千葉にして小なるあり、しなのぎく(○○○○○)と雲、これは葉も狭細なり、時珍は自生の者は単葉人家に種れば千葉となると雲非なり、単葉千葉別種なり、