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重修本草綱目啓蒙
十/湿草
苦芺 かまな(○○○) かみおこしな(○○○○○○)〈以上古名〉 ひめあざみ(○○○○○) とちな(○○○)〈加州〉 へら(○○)あざみ(○○○)〈奥州〉山野共にあり、好て渓澗地沢の傍に生ず、繁茂しやすし、葉宿根より叢生す、その形一ならず、小薊葉に似たるもあり、又羊蹄(ぎし〳〵)葉に似て短く、浅鋸歯あるもあり、皆葉辺及茎に刺あり、葉の長さ三五寸、大なる者は尺余に至る、八九月茎の高さ三五尺、枝お分ち花お開く、浅紫色、大薊(やまあざみ)花の形ちに似て、傍に向て開く、其苗嫩なる時食ふべし、故にとちなの方言あり、