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重修本草綱目啓蒙
十五/蔓草
千里及 詳ならず 一名千里急〈泉南雑志◯中略〉増、はまぎぐ(○○○○)と呼ものあり、暖国の海浜に生ず、蔓長さ三四尺、節ごとに根お生じて沙上に延布す葉互生す、長さ一寸幅五六分にして、菊葉に似て厚く、毛茸ありて糙澀す、辺に鋸歯ありて菊葉の欠刻あるに異なり、秋に至て葉間ごとに小黄花お開く、実は結ばず、これ即千里及なり、琉球にて、つるぎく(○○○○)一名からぎくづると雲、琉球産物志に見へたり、琉球産物志は明和庚寅の歳、薩州重豪公より、琉球大島の産物千余品お、東武の侍医坂上氏に賜りしお図するの書なり、