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草木育種後編
下/薬品
白朮〈本草〉 和名うけら、〈万葉〉漢種延享四卯年四月、唐山より種子四合お献ぜし、官より翁に賜はり是栽させ、後官園に栽、今いふ種白朮これなり、春芽お生じ夏紅花あり、秋月根お堀り大なるお薬となし、小なるは種となし、又園に栽べし、早春根お分け畦へ栽るもよし、養お用ひず、年久しくして堀るもの上品なり、一種天目白朮といふものあり、上品なり、家翁〈◯阿部喜任父〉武州川越より官園に献ぜしものなり、これも薬用によし、蒼朮〈本草〉 享保年中漢種来りて、今官園に栽ゆ、培養の法白朮とおなじ、