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大和本草
七/花草
敦盛 葉はえびねに似て広し、宿根より生ず、花紫にしてほろかけたるが如し、陰地お好み日お畏る、枯やすし、熊谷 葉はふきの葉の形にして小也、えびねの葉の如くしはあり、葉に少光あり、葉の高八九寸、梢に花一あり、花の大鴨(あひる)卵お二にわりたるより猶大にして、形ははまぐりお二にひらきたるが如し、色白し或黄なり、心ははまぐりの肉の如くにして黄也、花うるはし、見つべし、深山にあり、或曰敦盛熊谷一物なり花の紫なるお為敦盛、花淡白お為熊谷、共に枯やすし、