[p.0780]
重修本草綱目啓蒙
八/山草
鬼督郵(○○○)〈◯中略〉増、くまがへさう、又ほていさう(○○○○○)とも雲、好て樹陰或は竹林中に生ず、春宿根より苗お生ず、一茎直上すること六七寸にして、二葉お双生す形欵冬の葉に似て竪に皺多し、二葉の正中より別に茎お生じて花お開く、大さ鶏卵の如く正中に蕊あり、形母衣に似て淡紫色、中に深紫色の点あり、甚だ異形にして、比し象るべからず、根の形ははぐまに同じ、一種かうもりさう(○○○○○○)、一名かにかわほり(○○○○○○)と雲あり、深山陰地に生ず、高さ二三尺、葉茎頂別に茎お分ち、一二寸の間に六七葉互生して車輪の如し、葉の形横に闊く、竪に短く蝙蝠の羽お張たるが如し、又蟹の甲にも似たり、秋に至り葉中より別に茎お生ずること、一尺許にして花お開く、形色共にはぐまに同くして大なり、又一種さじくさと雲あり、至て小草なり、山中陰地に生ず、地に占て生ず、葉の大さ五六分、匙の形に似たり、秋に至り葉中より茎お抽て、花お開くこと、はぐまに似て小なり、