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古今要覧稿
草木
ひよどりばな 〈山蘭〉ひよどりばな一名やまどりぐさは、漢名お山蘭といふ、近辺山野処々これあり、その茎葉すべて蘭草に似て、狭長にして岐なく香なし、秋後花お開く、また蘭草に似て淡紫色、及び白色のもの有、〈◯中略〉されど皇朝の産は其葉対生にて、西土のものは互生なるお異なりとす、釈名ひよどりばな〈蘭品、本草啓蒙、此花鵯の来る頃に咲おもて、俗に此名お命ぜしなり、〉 やまどりさう〈本草觿〉 山蘭〈図経本草、此草山中に生じて、其葉蘭草と同じ、故に山蘭と名づく、〉