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日本山海名産図会

芝(さいはいたけ)  〈俗に霊芝(れいし)といふ、一名科名草(くわめいさう)、不死草福草(ふしさうふくさう)、和訓又かとでたけ、さきくさ、◯中略〉形一本離れて生るあり、又叢り生ずるもあり、又一茎に重り生じて、まひたけのごとき物あり、又茎枝お生じて傘あるもあり、又かさなく茎のみ生じて、長三尺ばかりに枝お生じ、鹿の角のごときもあり、是鹿角芝(ろくかくし)といふ、奇品にして、先年伊勢の山中に出す、凡て芝の品類六百種計、尚奇品の物、本草綱目に委し、〓波にては首途お祝ひて是お饋る、伊勢にて万年たけといひて、正月の辛盤に飾り、江戸にはねこじやくしといひ、仙台にてはまごじやくしといひて、痘瘡お掻くなり、