[p.0803]
重修本草綱目啓蒙
二十/芝栭
木耳 きのみヽ(○○○○)〈和名抄〉 きくらげ(○○○○) 一名木耳菰〈八閩通志〉 菌耳〈名物法言〉 広耳〈尺牘双魚〉 〓〈音禹〉 茈〈正字通〉 木椹 木檽〈共に同上〉 黒木耳〈外台秘要〉木に生ずるくさびら及きくらげの総名なり、きくらげは山中諸朽樹上に生ず、形人耳の如くして薄く多く重り生ず、淡紅褐色、採て乾せば黒色に変ず、煮食は味淡脆なり、然れども木に因て良毒あり、宜しく其木お撰ぶべし、桑槐楮楡柳お五木耳とすること、恭の説に見へたり、楮、接骨木、榕等の木耳最佳なり、楮に生ずる菌おかうそだけと雲、九州にてかうぞなばと雲、榕に生ずるおあかうなばと雲ふ、広東新語に、木耳以桑槐楡柳榕樹上生者良、柘木次之と雲、