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重修本草綱目啓蒙
二十/芝〓
天花蕈 ひらたけ冬春山中朽樹に生ず、紀州の高野山殊に多し、乾して遠に寄す、初生小塊多く聚りて、鮫皮の如く色白し、漸く長ずれば微く傘状あり、愈長ずれば蓋なく、銀杏葉の形の如く、雞冠の花に類す、多く重畳して白色微黒、背は切れありて茎と共に白色、生乾共に煮食ふに堪たり、然れども其木お選ぶべし、ぶなの木に生ずる者は毒あり、人家にても加条朴樹(むくえのき)の類お用て作るべし、