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大和本草
九/菌
しめぢ 松蕈に似て小也茎短し、八九月山野に生ず、味美好なり、畿内諸山に多し、諸州にも往々有之、一種似て非なる物あり、煮てねばる者は有毒、えらぶべし、食之吐瀉す、其毒に中りて山中若薬なくんば、多く冷水お飲べし、能諸毒及菌毒お解す、本草所載雚菌おしめぢと訓ずる説あり、色白軽虚と雲へるは似たり、然ども蘆葦沢中鹹炉地自然有此菌と雲に不合、然れば雚菌には非ず、しめぢは山に生ず、