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重修本草綱目啓蒙
二十/芝栭
土菌 ごもくだけ(○○○○○) 一名土蕈〈本経逢原〉 獐頭蕈〈通雅〉 逵厨〈同上〉 歘生芝〈正字通〉 朝菌〈荘子〉梅雨中糞壌上陰処に生ずる、きつねのからかさ類の総名なり、附録に品類お分つ、釈名、仙人帽(○○○)はきぬがさだけ、一名へびきのこ、〈江戸〉くちなはのたまご、〈筑後〉つゆぼう、〈城州嵯峨〉これは路傍林側或は堤陰に生ず、茎高さ四五寸、蓋の周辺より白網お下し、茎お包み根に至る、其根お堀れば甚だ粘滑悪むべし、附録、鬼蓋(○○)きつねのからかさ、くちなはのかさ、〈阿州〉糞土上に生じ、形香蕈の如にして小く、蓋薄くして黒褐色背に切れあり、茎は細くして内空し、日照すときは枯れ腐る、地芩(○○)きつねのからかさの黄色にして、茎微白色なる者なり、あさだけと呼ぶ、鬼筆(○○)きつねのえかきふで、形狭長にして筆頭の如く、長さ三五寸、赤色頂に小黒蓋あり、夏月霖雨の時、墻側及び糞壌に生ず、甚だ臭気あり、その根至て粘滑なり、仙台にてきつねのてうちんと雲、南部にてほしくそと雲、又黄色白色なるものあり、皆毒物なり、