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重修本草綱目啓蒙
二十/芝栭
香蕈麦蕈、しやうろ、中山にても松露〈伝信録〉と雲ふ、一名麦丹蕈、〈菌譜〉地腎、〈広東新語〉松乳〈清俗〉、松菰、〈同上〉海辺松下砂中に生ず、故にはましやうろ(○○○○○○)と雲、形円にして馬勃(ちどめ)の如にして涎あり、春末より夏に至り盛に生ず、白色にして柔軟なるお上とす、米しやうろ(○○○○○)と雲、又ねばり(○○○)とも雲、即もちしやうろ(○○○○○○)なり、久て経て黒くならず、粉となりて飛ぶ、乾す者は其肌甚密なり、一種外黒く内黄なる者お粟しやうろ(○○○○○)と雲ふ、一名麦しやうろ〈予州、雲州、〉久お経れば色黒く堅くなる、黒色に変じたる者は食ふべからず、