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大和本草
九/菌
土栗 形状檳榔に似たり、大さも同じ、又松露の如して少扁し、形又栗に似たる故、俗に土栗と雲、山中赤黄土の湿地に二月より四月に至て生ず、多くは岸に生ず、夏月は生ぜず、煮て食す、味淡く無毒、皮少こはし、如木耳、内の肉は如馬勃やはらかなり、肉新く白きは可食、久して黒に変ず不可食、頗松露に似たり、後に皮さけ開きて粉あり、片片にわかる、能金瘡の血お止む、内に袋の如くなる丸きもの残る、於本草及他書未見之、其性未詳、