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伊勢物語

むかし男、後凉殿のはざまおわたりければ、あるやんごとなき人の、御つぼねより、忘草おしのぶ草とやいふとて、いださせ給へりければ、給りて、 忘草おふる野辺とは見るらめどこはしのぶなりのちもたのまん