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重修本草綱目啓蒙
十二/湿草
地蜈蚣草名によりてむかでぐさに充つる説は穏ならず、むかでぐさ(○○○○○)は貫衆の一種なり、地蜈蚣草は紀州熊野山中に生じ、土人むかでらんと呼ぶものこれに近し、その草は樹皮に繁鋪して螺厴(まめごけ)草の樹石に附著するが如し、藤は螺厴草より粗し、葉は仏甲草葉の如くにして狭小、質厚くして微し彎り互生す、葉は深緑色、一葉ごとに一根お生じて樹皮に粘す、花実は蘭に類して極めて小し、此草形よく蜈蚣に似たれども、味苦からず、故に的当に非ず、