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重修本草綱目啓蒙
十九/柔滑
薇 ぜんまい(○○○○) ぜんご(○○○)〈上総◯中略〉山足水傍に多く生ず、深山に生ずる者最大なり、春嫩芽お採り乾菜とす、これお拳紫蕨〈朝鮮賦〉と雲、奥州三越の者、肥柔にして上品とす、形拳曲して綿ありてこれお包む、開く時は紫藤(ふぢの)葉の如にして厚く尖らず、枝多し、茎長さ三尺許、数茎一根に叢る、別に花穂お出す、高さ葉と均し、多く枝お分ち、黄褐色の穂お布く、長さ一寸許り、秋後苗枯る、根は則枯れず李時珍薇お以て、野豌豆、大巣菜と為るは是ならず、此二名は翹揺に移し入るべし、