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草木育種
下/葉或実視べきもの
松葉蘭 中山伝信録の松蘭竹蘭の類なるべし、九州伊豆安房等の高山岩石の間に生ず、石お割て是お採也、植る盆の水抜の穴お大くあけ、陶器の闕お伏へごお刻て入、或は椶櫚の毛お入、其上へ山の黄土(あかつち)の塊お入て、山の樹の根などお掘たる赤土へ、へごお粗く刻てまぜ植てよし、常に北陰(ひかげ)に置、北風およく通し、折々米泔水お澆べし、霖雨の節は内へ取入べし、冬は土蔵へ入るなり、