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重修本草綱目啓蒙
十六/苔
巻柏 いはくみ(○○○○)〈和名抄〉 いはごけ(○○○○)〈同上〉 いはひば(○○○○)〈京〉 いはまつ(○○○○)〈讃州〉 こけまつ(○○○○)〈筑前〉 てんぐのもとヾり(○○○○○○○○)〈秩父〉 くさひば(○○○○) 一名、長生草〈秘伝花鏡〉 万年松〈同下〉 蕨臣〈薬譜〉 不死草〈正字通〉 陸苔〈同上〉 苔松〈広東新語〉 石巻柏〈本事方〉 生巻柏〈天台山方外志〉深山に生ず、採て仮山に栽ゆ、年久しき者は幹ふとく、高さ一二尺、葉繁密、形扁柏(ひのき)に似て薄く勁し、冬お経て枯れず、乾く時は葉巻屈して鶏の足の如し、潤へば開てもとの如し、其葉短くしてつまりたるは、とうげひば(○○○○○)と雲ふ、葉の長きはすそのひば(○○○○○)と雲ふ、一種浅山に生じ、隻一葉のみなるおひめひば(○○○○)と雲ふ、一名めひば、〈勢州〉かたひば、〈同上〉是紹興本草の兗州巻柏なり、