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蝦夷行記
五月よりはまた昆布にかヽり、其場所々々へ船出せり、昆布は西海路にはなく、東海路箱館の外海より蝦夷地へかけて、四五十里の間昆布の場所あり、是お取事いと心安き業にて、海底より苅取、浜辺へしきならべて、干あぐるまでの事なり、此業六月中迄に仕廻て、七月よりは一同に休み、〈◯下略〉