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大和本草
八/海草
裙蒂菜(わかめ) 食物本草載之、和名抄曰、にぎめ、処々海中に多し、二月にとる、伊勢の海に産するお好とす、又紀州の賀多に産するは、脆くして味よし珍賞す、為茹而食す、煮為羹亦可也、生なるおも食す、又茎おも食ふ、茎はことに甘滑なり、茎の傍につきて厚く、耳の如なるおめみヽと雲、茎もめみヽも羹とし、又塩醤につけて食す、性寒味甘し、有虫積患腹痛人不可食、或曰、本草二十八巻に、所載の石蓴是なるべしと雲、生薑と醋に和して食へば無腹痛之患、わかめお食て腹痛する者も亦可食之、