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重修本草綱目啓蒙
十六/水草
水松 みるうみまつと訓ずるは非なり、物理小識に、本草水松は水中苔也との文に拠りて、みると訓ずべしみるは海中石上に生ず、菜類なり、径り二分許、形円く枝多して棒蘭の如にして緑色なり、長さ六七寸食用とす、一種ながみる(○○○○)は長さ四五尺あり、薩州の産なり、増、一種ひらみる(○○○○)と呼ぶものあり、一名らしやのりと雲ふ、闊さ五六分にして長さ一尺許、深緑色にして哆羅絨(らしや)の肌の如し、春月採て灰お雑え、日に乾して遠に寄す、これおはいぼしみると雲、阿州鳴門の名産なり、