[p.0901]
重修本草綱目啓蒙
十六/苔
乾苔(○○) あおのり いとあおさ〈佐渡〉 かはな〈南部〉 一名苔脯〈気味〉柔苔〈同上、生、〉 青苔〈海藻条下〉 緑苔〈文選海賊〉 海苔菜〈本草〓言〉海中に生ず、繊細緑色陟釐の如し、収め乾して方物とす、勢州多く出す、諸州出す所各小異あり、尾州の長あおのりは長さ一尺余、土州四万(ふたり)十川の産は長さ五六尺、尾州のさヽはのりは形箬(ちまき)の葉の如く乾しなす、播州網干のさヽのりも同形なり、これお一名あぼしのり、さヽのはのりとも雲、淡州よりも出、あおのりに極て細きと粗とあり、さヽのりは粗し、其粗なる者おがにのす〈備前〉と雲、一名あおさ、〈〓州〉阿州のあおのりは微黒色お帯び、小豆島の産は短くして闊し、防州土州の産は闊して長く緑色深し、集解、江蘺(○○)は尾州のおごのり(○○○○)なり、一名おんご、〈〓州〉うご、〈播州原村〉うごヽぶ、〈同上姫路〉形円く細くしてうみ索麺の如し、黒色微青なり、灰お加へ煮る時は緑色となる、晒し乾せば白色となり、甚細く麻の如し、或は五色に染売る、江蘺一名頭髪菜、〈間情偶奇〉