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守貞漫稿
五/生業
紫海苔の看板〈◯図略〉今世も猶浅草海苔お諸国通名とし、江戸にても称之、而て其産大森お専とし、此辺お本場と雲、其招牌図の如く、然も粗製にて面白、紙張墨書、或は白紙に藍紙の縁お付け、或は字白藍石摺仕立もあり、皆必らず唐紙風にて紙張也、又専ら官家に因て菊御紋お描き、店に置く櫃類も白紙張菊紋、又包紙必らず糊入紙に菊紋お描き、新干海苔と書し、左右に地名家号お記す、近年其包お精にし、四方包とし、四つ手と唱ふ物多し、江戸にて売るも、看板包紙其他皆然り、