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守貞漫稿
六/生業
江戸に在て京坂に無き陌上の賈人〈◯中略〉乾海苔売大略中冬以後春に至り売之、乾海苔は今世大森村お昌とす、然ども尚浅草海苔お通名とす、又売之者江人希にして、多くは信人也、彼国雪深くして、冬季産に煩しきお以て、出府して売巡之、図の如き〈◯図略〉筥お〓お以て担売あり、或は張籠に納て、風呂しき裹みにして負もあり、又冬春の間、店売も多し、蓋他賈の兼売多し干物店鰹節店お専とし、其他の店にも売之、店売の者は筥に十六葩の菊の記号お描く、是官家に調進お矯る也、